ハイレゾ配信市場はたった2年で伸び悩んでいる!?

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市場調査会社のGfKジャパンは12月21日、ハイレゾ音源ダウンロード市場レポートを発表した。それによると、『ハイレゾ音源のダウンロード配信数は、2015年では前年比108%増(2.08倍)と大きく拡大した。2016年に入っても各月で前年実績を上回って推移しており、2016年1〜11月計では前年比10%増となった』とのこと。

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前の年に2倍増だったのが翌年10%増になれば『拡大継続』ではなくて『伸び悩み』だろう!!

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ビクタースタジオ

出典:ウッドコーンとハイレゾ音源

市場拡大が継続・・・ではなくて伸び悩みが正解

GfKのレポートは、『「ハイレゾ音源ダウンロード市場概況」 – 市場拡大が継続』と題してプレスリリースされた。しかし、前年にその前の年の2倍に拡大した市場が翌年には10%しか伸びなかった場合、通常は『市場拡大が継続』とは言わず、『市場が伸び悩んでいる』とするのが普通だろう。また、ハイレゾ配信は2005年からe-onkyo musicが行ってきたが、話題になったのは2013年10月にSonyのmoraが配信にハイレゾ音源を加えてからである。moraのダウンロード実績が数字となって見えてくるのは2014年に入ってからであり、その具体的な金額はGfKのレポートにはでてきていない。下のグラフはGfKがレポートに添付したものだが、2014年を100として2015年と2016年をみたグラフとなっている。11月になっても前年実績には到達しておらず、12月の予測数字を加えてようやく前年比増となると見ることができる。

ピュアオーディオから一般ユーザー向けに転換

ハイレゾはピュアオーディオの世界では2000年代前半頃から注目されており、一部のマニアが大きな関心を寄せていた。2013年にSonyが一般のオーディオファンでも手に入れやすい価格でDAP(Digital Audio Player)を発売し、同時にSony系のレーベルゲートがハイレゾ配信を開始した。その後、オーディオメーカーが一部のピュアオーディオ向けから一般向けに戦略を転換し、ハイレゾ関連製品を一挙に投入したことから、2014年から2015年にかけて一般のオーディオファンが一斉に注目することとなった。それが2015年に前年倍増という成果を挙げたわけだが、その勢いは1年しか持たなかったというのが実態であったのだ。

オーディオ機器の買い替えが必要なハイレゾ

アナログレコードからCDになった時、LPプレーヤーを捨ててCDプレーヤーに買い換えさせられた。ハイレゾ音源の高音質な再生には専用プレーヤーが必要であり、それを購入することが求められる。しかし、ハイレゾ音源の高音質な再生にはそれだけでは足らず、アンプやスピーカーも買い換える必要がある。殆どのユーザーはそこまで資金を投入することは無く、ほぼ満足が得られるレベルとしてハイレゾ対応ヘッドホンを購入することになる。GfKのレポートでも、『携帯音楽プレーヤー(DAP:筆者注)は2015年では数量前年比28%増、2016年1〜11月も前年の水準を維持している』とあり、『ハイレゾ対応ヘッドホンは2015年では同148%増(2.48倍)、2016年1〜11月では同53%増と拡大が続く』となっている。ハイレゾ音源ユーザーは、DAPとヘッドフォンの組み合わせが主流であることを示している。

DAPとヘッドフォンで楽しむのが主流

DAPが『前年の水準(数量前年比28%増:筆者注)を維持』しているのに対し、ハイレゾ対応ヘッドホンは『53%増と拡大が続く』としている。ヘッドフォンの増加の割合が高いのは、ハイレゾ対応スマートフォンが拡大していることがその背景にある。SonyのXperiaだけでなく、SamsungのGalaxyなどはハイレゾ対応を積極的に進めている。但し、DAPとスマートフォンでは市場が桁違いであり、前年比53%増ではスマートフォンの取り込みに成功しているとは言いがたい。逆に言うと、DAPの替わりにスマートフォンが使えるにもかかわらず、ダウンロード数が伸び悩んでいるのはハイレゾ配信そのものの不安材料でしかない。

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