Rhapsodyを改名して米国でNapsterが復活した

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米国の音楽配信サービスであるRhapsodyは、今年6月にサービス名をNapsterに改名した。Napsterは米国で一世を風靡したP2Pの音楽交換サービスであったが、紆余曲折を経て2003年10月に『Napster 2.0』という合法的な音楽配信サービスとして再生していた。一方のRhapsodyは、2001年12月にListen.comが立ち上げた音楽配信サービスである。更に紆余曲折を経て、2011年11月にNapsterはRhapsodyに買収され、サービスはRhapsodyに統合された。かなり端折って書いているが、詳しくは本サイトの『米国の音楽配信』の中の該当記事を参照されたい。

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デジタルプレーヤーでの聴き放題サービスが可能になったのは2005年のWM DRM 9登場以降

rhapsody-napster

RhapsodyからNapsteへ

RhapsodyからNapsterへの改名は汚名挽回!?

つまり、Napsterを買収したRhapsodyが一旦はサービス名をRhapsodyに統合していたのだが、5年たって消した方のサービス名を復活させたのである。もっとも、Rhapsodyは米国以外ではNapsterブランドで展開しており、ブランド名を世界的に統一する形となっている。RhapsodyとNapsterは共に聴き放題サービスであるが、2000年代初めにスタートした老舗であるにもかかわらず、有料会員数は今年4月の時点で350万人でしかない。3,000万人のSpotifyや1,100万人のApple Musicに大きく水を開けられ、390万人のPANDRAに次いで4位に位置している。尚、TIDALとDEEZERは、共に300万人で後を追っている。Rhapodyは米国ではAppleに負けた音楽配信というイメージが強く、それを払拭するのが今回の改名の本当の目的かもしれない。

iPodへの転送をメジャーに認めさせたAppleのFairPlay

AppleのiTunes Music Store(iTMS)がスタートするまで、米国の音楽配信はストリーミング配信が基本であり、ダウンロードやCD焼付、デジタルプレーヤーへの転送には厳しい制限が設けられていた。当時のDRMではパソコン内での楽曲管理しか行えず、メジャーレーベルはパソコン外にデータをだすことを極端に恐れていた。しかし、2003年4月にAppleがスタートさせたiTMSは、FairPlayというDRMを楽曲データに埋め込むことでiPod内のデーターの管理を可能にし、ダウンロードした楽曲は無制限に転送可能とした。これが数多くのユーザーを獲得することになり、音楽配信がビジネスとして成り立つことを証明することとなった。

ダウンロード曲の管理を可能にしたWM DRM 9

AppleがiTMSを開始した2003年4月以降、同様のサービスが雨後の竹の子のように乱立した。その殆どのサービスが採用したのがMicrosoftのWM DRM 9であり、世界的にはAppleのFairPlayに対抗する一方の旗頭となった。しかし、WM DRM対応のデジタルプレーヤーは誰もが販売でき、AppleのiPodとiTMSの連携以上の機能を提供するものとはならなかった。従ってiTMSと差別化するため、PhapsodyとNapsterはサブスクリプションサービスへの傾斜を強めていった。『Napster 2.0』は、従量課金制のダウンロードとサブスクリプションのストリーミング配信を組み合わせたサービスであった。ダウンロードの場合はiTMS同様デジタルプレーヤーに転送できたが、ストリーミングの場合はデジタルプレーヤで聴くことはできなかった。それが可能になったのは、MicrosoftがWM DRM 10をリリースしてからである。

デジタルプレーヤーでの会員管理を可能にしたWM DRP 10

WM DRM 9でデジタルプレーヤー内の管理が可能となったが、そこでの管理はパソコンからの転送、及び他のデジタルプレーヤーへの転送回数だけであった。サブスクリプションとは会員期間中であれば利用できるというサービスであることから、デジタルプレーヤー内で時間管理ができなければならない。WM DRM 9ではその機能は用意されておらず、Microsoftが対応したのは2004年10月のWM DRM 10からであった。Napsterは2005年2月に『Napster To Go』、Rhapsodyは同年4月に『Rhapsody To Go』のサービスを開始させたが、いずれもデジタルプレーヤーへの転送を可能にしたサブスクリプションサービスであった。尚、Napsterは2006年10月に日本でも『Napster To Go』をスタートさせたが、2010年5月末でサービスは終了している。

この2~3年で急成長したRhapsodyとNapster

2008年9月、Napsterは米大手家電販売のBest Buyに買収された。また、Rhapsodyは2010年3月、運営していたRealNetworksからスピンオフして独立した事業体となった。更に2011年10月にはBest BuyからNapsterを買収し、サービスはRhapsodyに統合した。そして2013年6月には既に進出していた英国とドイツに14カ国を加え、世界進出を行った。ブランドはRhapsodyではなく、米国では吸収して消滅させたNapsterであった。そして2014年7月、有料会員数が世界で200万人を突破したことを発表した。そして今年の4月現在の有料会員数は、前述のごとく350万人である。RhapsodyとNapsterは、2000年代の初めから2013年頃までは試行錯誤を繰り返しており、業績が上向きになったのはついこの2~3年のことなのである。

RapsodyやNapsterは早すぎたサービス!?

2005年に相次いで開始した『Rhapsody To Go』と『Napster To Go』は、SpotifyやApple Musicを先取りするようなサービスである。しかしながら、それが世間に認知されるようになったのはここ2~3年の話であり、後発のSpotifyに大きく引き離された後のことである。恐らくその原因は、RhapsodyやNapsterのサービス開始が早すぎたことにあるのだろう。Spotifyの拡大はスマートフォンの普及と期を一にしており、サービス拡大の最大のバネはスマートフォンであることは確実である。iPhoneが世に出たのは2007年であり、『Rhapsody To Go』や『Napster To Go』の開始はその2年前の2005年であった。しかし、目立つ実績を残せなかったにもかかわらず、10年以上も試行錯誤を繰り返してこられたのは逆にほめられる事なのかもしれない。

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