AppleにとってTIDALの何が魅力なのだろうか?

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Appleが音楽聴き放題サービスのTIDALを買収するとの情報が出て1週間が経過した。しかし、その後の情報は流れてこず、この話がどうなるのかは今のところ不明である。しかし、AppleはDIDALの何が魅力で買収しようとしているのだろうか。TIDALは2014年4月にスタートしたサービスであり、日本では提供されていない。従って、Googleで『TIDAL』で検索しても、100件表示中に10件程度しか日本語のHPは出てこない。

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TIDALは通常の音質(320kbps)とCD音質(1411kbps)の2種類の音源からなる聴き放題サービス

tidal

TIDAL

320kbpsの圧縮音源とCD音質の2種類の配信サービス

Tidalは2014年に米国と英国でスタートした音楽聴き放題サービスで、月額20ドル/20ポンドの有料サービスである。通常の聴き放題サービスの2倍と高額なのは、通常のサービスが320kbps程度の圧縮音源での配信なのに対し、TIDALはCDそのままの高音質というところにある。提供しているのはノルウェー発祥のAspiroという企業であるが、この会社は2010年から欧州でWiMPという聴き放題サービスを展開していた。こちらは320kbpsの圧縮音源であり、料金は通常の聴き放題並みの金額、米国/英国に当てはめると10ドル/10ポンドというものであった。Aspiroは2015年3月にヒップホップ・プロデューサーのJay-Zが買収し、提供国を拡大させて現在は52カ国にまで広がっている。また、WiMAPとTIDALを統合し、現在はサービス名をTIDALに統一している。つまり、10ドル/10ポンドのTIDAL Premiumと、20ドル/20ポンドのTIDAL FiFiの二つのサービスを世界52カ国で展開している。

TIDALはビッグ・アーティストの独占先行配信件を持つ

Aspiroは2014年10月にTIDALの有料会員は3.5万人、WiMAPが47.7万人であることを発表していた。それが先月(2016年6月)の段階で420万人に達しており、急成長しているのは間違いない。絶対数ではSpotifyの3,000万人、Apple Musicの1,500万人には劣るが、約1年半の間にユーザーを8倍にするという力強さは持っている。TIDALが注目されているのは、TIDALはビヨンセやカニエ・ウェストのようなビッグ・アーティストの独占先行配信権を持っていることにある。ビッグ・アーティストの一部はTIDALの共同所有者となっており、それを背景にしてJay-Zは最新の楽曲の独占先行配信権を得た。ビッグ・アーティストの独占先行配信権獲得は、SpotifyもApple Musicも力を入れている。TIDALを買収することでAppleは、より多くのビッグ・アーティストの独占先行配信権を確保することになる。

CD音質のサービスを提供するDEEZER Elite

一方、TIDALのCD音質配信も、大きな魅力となっているのではなかろうか。フランス発祥のDEEZERという聴き放題サービスがあるが、ここは音楽大国の米国と日本には進出しないと以前から表明していた。しかし、米国には2014年9月にCD音質の聴き放題サービス、DEEZER Eliteで進出した。DEEZER Eliteは現在は米国のみで提供されており、それを含む2015年6月時点の有料会員数は634万人であることを発表している。2015年2月にDEEZER Eliteの世界展開を発表しているが、実際には現時点で米国以外に広げてはいない。同年6月にスタートしたApple Musicに多くのユーザーを奪われたと予想され、その対応を先行させるを得なかったのであろう。

高音質ストリーミング配信でAppleの先を行くDeezer
世界180カ国以上でオンデマンド型のストリーミング配信を行っているDeezerは、世界第1位の音楽市場である米国ではサービスを提供していなか...

ビッグ・アーティストの提携と高音質化

Appleが本当にTIDALを買収するのか否かは分からないが、AppleがSpotifyと差別化を推し進めていこうとしているのは明らかである。更なるビッグ・アーティストとの提携であり、CD音質レベルの高音質化である。前者でSpotifyを上回る提携関係を築き、後者で圧倒的な差をつけることでSpotifyを切り崩す・・・そして聴き放題サービスでもトップを勝ち取ることがAppleの最終的な目標なのだ。

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