昨日『AWAの有料会員数はこのサイトの独自試算で30万人!?』という記事を書いたばかりだが、それを早速訂正する必要がでてきた。AWA株式会社の売上高が3.55億円だったという記事が見つかったのだ。AWAの収入源は有料会員の会費だけであり、売上高が分かれば有料会員数が逆算できる。但し、AWAの有料プランはStandardとLiteの2種類があり、Standardは月額960円、Liteは月額360円という設定がされている。
AWAの2016年3月期の売上は3.55億円・・・有料会員は7.7万人しかいなかった??
AWAの有料会員は5.3万人~14.2万人の間
AWA株式会社は3月決算であり、3.55億円は2015年4月から2016年3月までの売上高となる。しかし、AWAのサービス開始は2015年5月であり、最初の3カ月間は無料お試し期間であった。有料化は8月末からであり、今年3月までには実質7か月分しか含まれていない。つまり、2015年9月から2016年3月までの7ヶ月間の売上高が3.55億円だったことになる。月平均の売上高は、『3.55億円÷7ヶ月=0.51億円』。仮に全員が月額960円のStandardとすると、『0.51億円÷960円=約5.3万人』となる。同様に全員が月額360円のLiteとすると、『0.51億円÷360円=14.2万人』となる。つまり、AWAの有料会員は多くても14.2万人しかいいないということになる。StandardとLiteが半々だった場合、有料会員数は7.7万人となる。こちらの方がより実態に近い気がする。
低い数字を出すのを遠慮してしまった
昨日の記事を書いたとき、実は10万人台の数字を打ち出そうかとも考えた。しかし、根拠の薄い試算方法で低い数字を出すのはAWAに失礼だと思い、高目の数字にしたという経緯がある。売上高から試算する方法は、『5.3万人~14.2万人』という幅があるが、その間に収まる数字であることは間違いない。尚、この数字は、正確には期間中の平均有料会員数である。しかし、昨年の10月以降のアプリダウンロード数は急激に落ち込んでおり、2016年2月の発表以降はダウンロード数そのものが発表されていない。つまり、有料会員数が大きく増加しているとは考えられず、現在は先に求めた数値が微増しているという状況であろう。
年 | 月 | 日 | 累計ダウンロード数 | 月間平均ダウンロード数 |
2015 | 5 | 27 | サービス開始 | 100万 |
6 | 10 | 100万 | ||
7 | 29 | 300万 | ||
8 | 24 | 400万 | 93万 | |
9 | ||||
10 | 13 | 580万 | ||
11 | 10 | 600万 | 35万 | |
12 | 25 | 650万 | ||
2016 | 1 | 25万 | ||
2 | 10 | 700万 |
AWAもLINE MUSICも有料会員数を発表すべし
ここまで書いて気が付いたのだが、AWAはアプリのダウンロード数と同時に累計再生回数の発表も止めてしまっている。累計再生回数には無料お試し会員の再生回数が含まれており、昨年末までの数字にはその割合がかなり高かったはずである。ダウンロード数が落ち着いてきたことは無料お試し会員数も減少していることを示しており、累計再生回数の伸びが大きく落ち込むことになる。数字を発表することでAWAの低調さを浮き彫りにすることから、発表自体を取り止めたのであろう。LINE MUSICもそうだが、景気をあおる数字はバンバン発表するが、都合の悪い数字は隠そうとする。この体質を直さない限り、日本生まれの配信サービスはビジネスとして成功しないのではなかろうか。そんな気がする。有料会員数は聴き放題サービスがビジネスとして成功するかしないかの最大の要因であり、資金集めの基本情報である。LINE MUSICやAWAは資金集めが必要なく、その分だけビジネスの進めかたが甘くなると言わざるを得ない。