売上が倍増しても赤字が続くSpotifyの2015年決算

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2015年にSpotifyは19.5億ユーロを売り上げたが、依然として赤字でその額は1.73億ユーロであった。Hugh McIntyre という人が寄稿した記事がForbes JAPANに掲載されている。2014年の売上高は10.08億ユーロであったことから、売上高は約2倍となっている。また、同じ人が今年3月に書いた記事によると、Spotifyは2014年に2億ドルの赤字であったとのこと。2億ドルは3月頃のレートで計算すると2.2億ユーロとなり、2015年は赤字幅を若干減らしたことになる。しかし、売上高を2倍にしたにもかかわらず、Spotifyの赤字体質は大きく改善したわけではない。

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2015年は赤字だったが2016年には黒字化が見えてきたのだろう・・・日本にもようやく進出か?

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売上は倍増したが2014年は赤字が続く

ちなみに2015年末のレートで計算すると、10.08億ユーロは約1,290億円、19.5億ユーロは約2,500億円となる。また、2.2億ユーロは約280億円であり、1.73億ユーロは約220億円となる。つまり、Spotifyは2015年の売上高を約2,500億円と2014年よりほぼ倍増させたが、赤字幅は280億円から若干減らして220億円にした・・・ということになる。売上高が倍増したにもかかわらず赤字を大きく減らせなかったのは、アクティブユーザーの増加に応じてロイヤリティの支払が増加するところに理由がある。有料会員の増加は売り上げ増にも結びつくが、無料会員の増加はロイヤリティ支払額の増加にストレートに影響する。広告料収入があるが、その額はロイヤリティ支払額を帳消しにするほどではないハズである。

無料プランでもロイヤリティは払わなければならない

Spotifyは、有料会員による売上高の70%程度を権利者への支払に当てている。逆に言うと会費総収入の30%はSpotifyの取り分となり、有料会員を増やせば増やすほど収入アップにつながる。無料コースの場合、ストリーミング1曲当たりのロイヤリティが定められており、再生回数に応じて権利者への支払額が増加していく。単価はかなり低いのだが、会員数と再生回数が何千万人、何億回となるとかなりの金額になる。現在のアクティブユーザー数は1億人いるが、有料会員は3,000万人で残りの7,000万人は無料会員である。彼らが再生すればするほど、Spotifyが支払うロイヤリティは増大していくことになる。

制限無しでの無料プランで会員を急拡大した

Spotifyはフリーミアムモデルであり、できるだけ多くの無料会員を集め、それを有料会員に移行させることでビジネスを成り立たせようとしている。2014年から2015年にかけて、売上高を倍増させたということは有料会員を倍増させたということである。しかし、それでも赤字体質を転換することはできなかった。日本で昨年スタートしたAWAは無料プランを残しているが、月に60分だけしか利用できないという制限がある。Spotifyも当初は無料プランで再生時間の制限行っていたが、2014年1月に世界的に全廃した。その後、Spotifyの会員は急激に増加することになり、フリーミアムモデルの成功が現実のものとなりつつある。

日本上陸もこの7月には実現する!?

Wall Street Journalは今年3月、Spotifyが新たに10億ドルの資金調達に踏み切ることを伝えた。これまでの資金調達は株への出資であったが、今回は転換社債の発行で利子も年5%が発生する。また、半年毎に1%が上乗せされることから、IPOが遅れれば遅れるほど負担が増加することになる。1年以内にIPOした場合でもSpotify株を20%のディスカウント価格で渡さねばならず、Spotifyにとってはかなり不利な条件になっている。逆に言うと1年以内にIPOできるという自信の表れであり、2016年中に赤字体質を一掃できると確信したのであろう。また、長らく延期していた日本上陸についても、7月には実現するという情報も流れてきた。これは現在のSpotifyの完全版ではないと思われるが、これもSpotifyの自信の裏返しかもしれない。

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