NW-ZX1のプロトタイプとしてのMedia Keg

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携帯デジタルプレーヤー(PDP)が急速に市場を拡大していた時代、高音質化を一心に追求していたメーカーがあった。今は日本ビクターと経営統合し、JVCケンウッドとなったケンウッドである。ケンウッドは2005年にPDPに参入したが、注目を集めたのはデジタルアンプを搭載したMedia Kegシリーズであった。

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Media KegはHDDで本領発揮

media-keg

Media Keg HD60GD9

音質強化して他社のPDPと差別化

2001年11月にAppleが発売したiPodは、東芝製の1.8インチのHDDを搭載していた。その後、2005年に入ってフラッシュメモリーを内蔵したiPod shuffleやiPod nanoを投入すると、数多くのメーカーがフラッシュメモリー内蔵型で参入してきた。ケンウッドも2005年2月、フラッシュメモリーを内蔵したタイプの製品でPDPに参入したが、同年6月に1.8インチのHDDを搭載したHD20GA7を追加発売した。HD20GA7は、東芝のgigabeatをベースに作られていた。世界で初めてデジタルアンプを搭載しており、価格は45,000円であった。20GBのHDDをっ搭載する他社の製品は30,000円から35,000円で販売されていたが、HD20GA7ではシャーシー部に非磁性ステンレス合金を使用するなどして音質面にこだわりを持った作りとなっていた。

フラッグシップモデルMedia Keg HD60GD9

HDDを搭載したMedia Kegシリーズは、2007年10月に発売したHD60GD9で頂点に達した。前年に発売したHD30GB9でプリアンプとパワーアンプを独立させたデジタルアンプの搭載を継承し、容量を30GBから60GBに倍増させた。価格は54,800円であり、同年9月に発売されたAppleの160GB搭載iPodclassicの42,800円よりも高かった。しかし、ここで注意しなければならないのは、SonyのウォークマンNW-ZX1がCD以上の情報料を持つハイレゾ音源に対応しているのに対し、Media Kegシリーズは最大でもCD並みのWAV音源対応であったことである。

高価な非磁性ステンレス合金を採用

Media Kegシリーズが注目を集めたのは、HDDを搭載した製品であった期間だけであった。HDDは回転機構を持っていることから、筐体がHDDの性能に大きく影響する。従って、音質強化のために高価な非磁性ステンレス合金を採用することは、実用上も大きな意味を有していた。しかし、PDPの世界ではHDDからフラッシュメモリーへの転換が既成事実となっており、HDDの容量面での優位性は失われていた。HDD搭載Media KegはHD60GD9が最後の製品となり、Mrdia Kegのブランド名はフラッシュメモリー型に引き継がれることとなった。

JVCのalneo終了後もMedia Keg発売

2006年以降のPDPの日本市場は、2005年に大挙参入してきたメーカーの倒産・撤退の歴史であり、市場のシェアはAppleとSonyへの2極集中の推移であった。従って、私の注意はスマートフォンやタブレット端末に向かうことになり、PDPについてはウォッチ対象から外れてしまった。だからケンウッドがMedia Kegの製品投入を2011年10月まで行っていたことは今になって初めて知った。ケンウッドは2008年10月に日本ビクターと共に共同持ち株会社の傘下に入ったが、日本ビクターが発売していたPDPのalneoシリーズは、2010年3月発売の新製品で終了している。

ケンウッドの前身は・・・チューナーのトリオ

ケンウッドのルーツは、終戦の翌年に発足した春日無線である。1960年にはトリオ商事と名前を替え、翌年には海外向けのブランドとしてKENWOODを誕生させた。ちなみに私が高校時代に持っていたプリメインアンプは、トリオの製品であった。中学校時代にアマチュア無線に興味があったことから、チューナー関連に強いトリオは良く知っていた。しかし、オーディオ機器では日本ビクターと比べると新興企業の末端に位置していた。それが2011年には日本ビクターと統合され、PDPでは日本ビクターを外してケンウッドの方を残したのである。誇り高きビクターマンは・・・・・当時残っていたとすればかなり少なくなっていただろうが・・・・何度目かの悔し涙を浮かべたことだろう。

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