フラッシュメモリーの大容量化と低価格化が進む
Appleは2004年に4GBのiPod miniを発売したが、2005年2月に6GBに増加させた後は2005年9月に発売中止としてしまった。これは、当時はフラッシュメモリーの大容量化に伴う価格低下が急速に進んでおり、8GB程度の容量ではフラッシュメモリーが追いつくのは時間の問題と判断したことは間違いない。
Appleは2005年1月にフラッシュメモリーを内蔵したiPod shuffleを発売したが、これまでにモデルチェンジや価格改定を何度も繰り返している。その様子を表にした。
年 月 |
5/1 | 5/6 | 6/2 | 6/11 | 7/1 | 7/9 | 8/2 | 9/3 | 9/9 | 10/9 | 11/10 |
4GB | 8,800 | 7,800 | |||||||||
2GB | 7,800 | 5,800 | 4,800 | 4,200 | |||||||
1GB | 16,980 | 14,980 | 11,980 | 9,800 | 9,800 | 9,800 | 5,800 | ||||
512MB | 10,980 | 7,900 |
従来からのメーカーは値下げの常態化についていけず
携帯デジタルプレーヤーは、国内では2001年から数多くの企業が参入していた。特に内蔵メモリーにフラッシュメモリーを採用していたところが多く、USBメモリーなどの関係からPC周辺機器関連の企業が多かった。しかし、AppleのiPodの大ヒットにより、大手AVメーカーの参入が続き、一挙に大激戦の業界となった。フラッシュメモリーの大容量化の価格低下の中で、価格改定が常態化したことから、多くの参入企業が撤退、廃業・倒産に追い込まれることになった。
弱小メーカーは倒産・撤退に追い込まれる
2004年は2003年の2.5倍となる200万台の市場に成長した携帯デジタルプレーヤーだが、2005年は2004年の3倍以上となる610万台にまで販売台数を伸ばしている。その一方で老舗企業やベンチャー企業の撤退・倒産が続き、国内の携帯デジタルプレーヤーはAppleとソニーやパナソニック、東芝、日本ビクターなどの大手企業がシェアを確保するというそれまでとはまったく異なった市場に変貌した。